導入事例
堅牢なIBM i(旧AS/400)資産と最新Web技術の融合による「ハイブリッド・モダナイゼーション」の実践
- IBM i(旧AS/400)モダナイゼーションサービス 「LANSAファミリー」

K社
- 業界・業種
- :製造業
point
- 導入背景:既存資産の価値と技術革新の間で抱えるジレンマ
- AGSビジネスコンピューターの支援内容:LANSAによる適材適所のハイブリッド構築
- 支援後の変化:現場の操作性はそのままに、データ活用力が飛躍的に向上
- 今後目指すこと:経営と現場をつなぎ、持続可能なシステム基盤へ
導入背景:既存資産の価値と技術革新の間で抱えるジレンマ
製造業の現場において、生産管理や販売・購買といった基幹業務を支えるシステムは、企業の「心臓部」とも言える存在です。
今回ご紹介するお客さま(製造業)におかれましても、長年にわたりIBM i(旧AS/400)上で稼働する販売・購買システムを利用されており、その堅牢性と信頼性は業務の安定稼働に不可欠なものでした。
「守り」と「攻め」の狭間での課題
しかし、昨今のDX(デジタルトランスフォーメーション)の潮流の中で、お客さまは一つの大きなジレンマに直面されていました。それは、「長年蓄積してきた貴重なシステム資産や業務ノウハウを活かし続けたい」という思いと、「最新のWeb技術やモバイル対応を取り入れ、業務プロセスを刷新・改善したい」という相反するニーズの両立です。
完全に新しいパッケージシステムへ移行することは、多大なコストとリスクを伴うだけでなく、現場が慣れ親しんだ効率的な操作性を失うことにもなりかねません。
一方で、従来の「グリーンスクリーン(5250画面)」だけの運用では、情報の視認性やデータ活用の面で現代のビジネススピードに対応しきれない場面が増えてきていました。
お客さまが求めていたのは、システムをすべて作り変えるスクラップ&ビルドではなく、今ある強み(IBM i資産)を最大限に活かしながら、必要な部分に最新技術を注入して進化させる「現実的かつ効果的なモダナイゼーション」でした。
AGSビジネスコンピューターの支援内容:LANSAによる適材適所のハイブリッド構築

AGSビジネスコンピューターが提供する「IBM iモダナイゼーションサービス」では、開発ツール「LANSA」を活用し、既存のIBM i資産とWeb技術をシームレスに融合させるアプローチを採用しました。
我々が提案したのは、すべての画面を一律にWeb化するのではなく、業務の特性に合わせてインターフェースを使い分ける「ハイブリッドソリューション」です。
入力業務:あえて「変えない」選択(5250画面の維持)
販売・購買業務におけるデータ入力作業は、スピードと正確性が何よりも求められます。現場の担当者は長年の操作でキーボードショートカットや画面遷移を身体で覚えており、マウス操作を主とするWeb画面への移行は、かえって作業効率を低下させる恐れがありました。
そこで当社は、入力機能に関してはあえて現行の「5250画面」を維持することを提案しました。
既存の操作性を尊重することで、現場の抵抗感を無くし、教育コストをかけることなく新システムへの移行を実現しました。
照会業務:LANSAによる「Web化・モバイル対応」
一方で、情報の検索や状況確認を行う照会機能については、LANSAツールを用いて既存のIBM i資産を活かしながら再構築し、Web化およびモバイル対応を実施しました。
従来の文字ベースの画面では表示できる情報量に限界がありましたが、WebブラウザベースのUIに刷新することで、一度に表示できる情報量を大幅に拡充しました。
支援後の変化:現場の操作性はそのままに、データ活用力が飛躍的に向上

この「入力はそのまま、照会はリッチに」というメリハリのあるモダナイゼーションは、導入直後からお客さまの業務に大きな変化をもたらしました。
ストレスフリーな移行と業務効率の維持
入力担当者からは、「使い慣れた画面のままなので、何ら違和感なく業務を継続できている」と高く評価いただいています。
システム更新時によくある「操作がわからなくて業務が止まる」「入力スピードが落ちた」といったトラブルは一切発生せず、スムーズな移行が実現しました。
情報の「見える化」とデータ活用の加速
Web化された照会画面では、表現力が豊かになったことで、必要な情報を直感的に把握できるようになりました。
さらに、今回の改修で新たに追加した「CSV形式でのデータ出力機能」が、現場のデータ活用を劇的に加速させました。
これまでは画面で見るだけだった販売・購買データを、ユーザー自身が手軽にダウンロードし、Excel等で二次加工・分析できるようになったことで、会議資料の作成や在庫推移の分析などが迅速に行えるようになりました。
IBM iは単なる「データ入力・蓄積の箱」から、「ビジネスデータを能動的に活用するためのプラットフォーム」へと進化を遂げました。
今後目指すこと:経営と現場をつなぎ、持続可能なシステム基盤へ

今回のプロジェクトの成功は、単なる技術的な置き換えではなく、経営層の「改革したい」という意志と、現場の「効率を落としたくない」という実情の間に立ち、双方にとって最適な解決策を導き出せたことにあります。
AGSビジネスコンピューターは、今後も以下の視点を大切にし、お客さまのシステム進化を支援していきます。
経営と現場の架け橋として
システム導入において、トップダウンの理想だけでは現場は動きませんし、現場の現状維持だけでは企業の成長は止まります。
私たちは、それぞれの立場で抱える課題に寄り添い、技術の力でそのギャップを埋める解決アプローチを提案し続けます。
持続可能な業務基盤の構築
「モダナイゼーション」は一過性のイベントではありません。既存資産と新技術を融合させ、業務基盤をより強固で持続可能なものへと進化させ続けるプロセスです。
IBM iの堅牢なバックエンドと、柔軟なフロントエンド技術(LANSA等)を組み合わせることで、将来的なビジネス環境の変化や新しいデバイスの登場にも柔軟に対応できるシステム構造を維持していきます。
AGSビジネスコンピューターは、IBM iを知り尽くしたプロフェッショナルとして、お客さまの貴重な資産を守りながら、次世代へとつなぐモダナイゼーションを強力に推進してまいります。
