導入事例

kintoneによる工事原価管理の一元化と業務プロセスのデジタル化

  • kintone開発/導入支援

L社

業界・業種
:土木建設業

point

  1. 導入背景:複雑化する原価管理とアナログ業務の限界
  2. AGSビジネスコンピューターの支援内容:プラグイン活用と対話型開発による最適化
  3. 支援後の変化:現場と経営をつなぐリアルタイム経営の実現
  4. 今後目指すこと:業務効率化と改善の継続的サイクル

導入背景:複雑化する原価管理とアナログ業務の限界

土木建設業において、工事ごとの収支を正確に把握する「工事原価管理」は経営の根幹です。
しかし、受注から発注、支払に至るプロセスは複雑であり、多くの企業が情報の分断や集計のタイムラグに悩まされています。

今回ご紹介するお客さま(土木建設業)においても、長年利用してきた基幹システムの老朽化に伴い、リプレイスの時期を迎えていました。従来のシステム運用では、以下のような課題が業務効率の向上を妨げていました。

プロセスの分断と手作業の負荷

工事の「受注」から、協力会社への「外注発注」、そして経理的な「支払入力」に至るまでの一連の流れがシステム上で統合されておらず、それぞれの工程で個別の管理や手作業が発生していました。特に、担当者ごとの売上実績の集計や、取引先ごとの支払条件(締め日・支払日)の管理は属人化しており、手計算によるミスや確認作業に多くの時間を費やしていました。
支払方法に応じた締め日の算出は複雑であり、これをシステムで自動化することは重要な課題となっていました。

アナログな承認フローによる停滞

また、発注や支払の承認プロセスは紙の回覧によって行われていました。
担当者が不在であれば決裁は止まり、現場が急いでいる場合でも承認が下りるまで待たなければならないというタイムロスが発生していました。

経営情報の視認性欠如

経営層や現場マネージャーにとって最も重要な「今の工事情報の金額」や「支払状況」を一目で確認できるダッシュボードが存在せず、現状を把握するために複数の帳票を突き合わせる必要がありました。

お客さまは、これらの課題を解決し、工事原価管理のすべてをkintone上で一元化することで、業務の効率化と経営のスピードアップを実現したいと強く望まれていました。

AGSビジネスコンピューターの支援内容:プラグイン活用と対話型開発による最適化

AGSビジネスコンピューターが提供する「kintone開発」サービスでは、単にアプリを作成して終わりではなく、お客さまの基幹業務に深く入り込んだ「業務デザイン」と「定着化支援」を行いました。

プラグインを駆使した「基幹システム級」の設計

kintoneは柔軟性が高い反面、複雑な計算や高度な帳票出力など、標準機能だけでは実現が難しい要件も存在します。
そこで当社は、豊富なプラグインを適材適所で駆使し、柔軟なカスタマイズを行うことで、従来の専用基幹システムと遜色ない、あるいはそれ以上の運用設計を実現しました。
具体的には、「締め日自動算出ロジック」の実装や、複数アプリにまたがるデータの自動集計機能を構築し、ユーザーが意識せずとも正確なデータが生成される仕組みを整えました。

「使いやすさ」を追求する反復型開発

システム導入の失敗で最も多いのは、「完成品を見たらイメージと違った」というケースです。これを防ぐため、私たちは「要件定義・設計・実装・テスト・レビュー」のサイクルを短期間で繰り返す開発スタイルを採用しました。
実際に動く画面をお客さまに触っていただきながら、「ここの入力順序を変えたい」「この項目は必須にしたい」といった現場の生の声を即座に反映させることで、徹底的に「使いやすさ」を追求しました。

情報の集約によるミス防止策

構造面では、散在しがちだった「受注入力を一つのアプリに集約」することに注力しました。
データの入り口を一つに絞ることで、二重入力や情報の重複、転記ミスといったヒューマンエラーを根本から防止する設計としています。

支援後の変化:現場と経営をつなぐリアルタイム経営の実現

kintoneによる新システム稼働後、お客さまの業務環境は大きく改善されました。

業務スピードの向上と負担軽減

最も顕著な変化は、紙の回覧が撤廃され、ワークフローが電子化されたことによる「承認スピードの向上」です。スマートフォンやタブレットからいつでもどこでも承認が可能になったため、決裁の滞留が解消されました。
また、受注から支払までデータが連携したことで、これまで発生していた二重入力作業がなくなり、経理・総務部門の業務負担が大幅に軽減されました。

「1画面」で完結する情報の視認性

要望の強かった「情報の見える化」に関しては、工事ごとの収支状況や進捗、支払ステータスなど、必要な情報を「1画面」で確認できるポータル画面を実現しました。
担当者は複数の画面を行き来することなく、瞬時に状況を判断できるようになりました。

現場と本部の連携強化

クラウド型のkintoneを採用したことで、物理的に離れている工事現場と本部がリアルタイムで情報を共有できるようになりました。現場での発注内容が即座に本部に伝わり、本部からの指示もスムーズに届くため、組織としての一体感と連携が強化されています。

今後目指すこと:業務効率化と改善の継続的サイクル

今回のプロジェクトでは、kintoneを活用することで「業務効率化」と「情報の見える化」の両立に成功しました。
しかし、ビジネス環境の変化に伴い、システムに求められる要件も日々変化します。

AGSビジネスコンピューターは、システムを納品して終わりとは考えていません。今後は以下の点に注力し、お客さまのパートナーとして伴走を続けます。

定期的な改善提案による顧客満足度の向上

現場で運用を続ける中で、「もっとこうしたい」「新しい機能が欲しい」という要望は必ず生まれてきます。
当社は定期的なヒアリングを通じてこれらの声を拾い上げ、kintoneの機能拡張や設定変更による改善提案を継続的に行っていきます。

データの利活用による経営支援

蓄積された工事原価データをさらに深く分析し、利益率の向上や予実管理の精度向上に役立つデータ活用支援も視野に入れています。

AGSビジネスコンピューターは、kintoneの可能性を最大限に引き出し、お客さまの業務改革(DX)を持続的に支援してまいります。